自動車に使われるバッテリーには希硫酸が使われています。そのため、自動車やオートバイ用のバッテリーは、広島県にかぎらず、日本全国のほとんどの自治体が収集しない適正処理困難物です。一方、バッテリーはバッテリーでも、小型家電や携帯機器などに使われるバッテリーは、自治体が行っているリサイクルの枠組みを利用して処分できる場合があります。本記事では、広島県内の主要自治体におけるバッテリーの処分方法を解説しています。バッテリーの処分にお困りの方は、ぜひチェックしてください。
自動車のバッテリー(鉛蓄電池)の処分方法
自動車やオートバイなどに使われているバッテリーのことを「鉛蓄電池」と呼びます。この鉛蓄電池には、その名前のとおり「鉛」や「希硫酸」「水素ガス」などが含まれているため、取り扱いを誤ると爆発するおそれがある「危険物」としてほとんどの自治体が受け入れていません。
長い間放置されていた自動車のバッテリーにはエンジンを始動させるほどのパワーはありませんが、それでも蓄電池としての機能が完全になくなってしまったわけではありません。金属がバッテリーの端子に触れただけでも通電してショートしてしまう可能性がありますし、万が一、水素ガスが火の気に触れるようなことがあると爆発してしまうかもしれません。そのため、放置されていたバッテリーであっても、処分する前に絶縁テープで端子を保護するなどの対策をとっておくことをおすすめします。
このように、取り扱いに注意する必要があるバッテリーですが、処分することに関しては、受け入れ先が比較的身近にあるためそれほど難しくはありません。鉛蓄電池の受け入れ先は、主に「カー用品店」や「ガソリンスタンド」などの販売店と「不用品回収業者」です。
カー用品店
自動車のバッテリーの購入先として一般的なカー用品店では、購入と同時に古いバッテリーを引き取って処分してくれます。バッテリーを購入しない場合でも、数百円ほどの手数料を支払えば引き取ってくれるので、近所にカー用品店がある方は相談してみるといいでしょう。
ガソリンスタンド
ガソリンスタンドでもバッテリーを引き取ってくれますが、バッテリーやタイヤなどを販売しているフルサービスのガソリンスタンドでなければ引き取ってくれません。やはり、数百円ほどの手数料で引き取ってくれるところが多いようです。近所にフルサービスのガソリンスタンドがある方は相談してみるといいでしょう。
不用品回収業者
不用品回収業者もバッテリーを引き取ってくれます。ただし、カー用品店やガソリンスタンドと比較すると料金はやや高めです。ただし、不用品回収業者はカー用品店やガソリンスタンドとは違い引き取りに来てくれます。自動車のバッテリーは重量物なので、引き取りに来てくれる不用品回収業者は、運搬する手段がない方にはベストな選択肢です。バッテリー以外にも処分したい不用品がある方や、多忙でショップまで足を運ぶ時間がないという方も、不用品回収業者なら利用しやすいでしょう。
広島県でモバイル機器などに使われるバッテリーや乾電池を処分するには?
モバイル機器などに使われているリチウムイオンバッテリーなどのバッテリーは、自治体により扱いが異なります。これらのバッテリーに関しては、リサイクルに積極的な自治体があるからです。広島県内主要自治体(広島市・福山市・三原市・尾道市・東広島市・廿日市市・呉市)における、これらのバッテリーの処分方法をご紹介します。
広島市の場合
広島市は、「充電式電池」「ボタン型乾電池」「その他の電池」を「有害ごみ」に指定しています。広島市内の各地域には「資源ごみ」の収集日が設定されており、「有害ごみ」もこの日に出せます。ほかの資源ごみとは別の袋に入れて「有害」と明記して出してください。
リサイクルマークのついたバッテリーについては、家電量販店などの「使用済充電式電池リサイクル協力店」に持ち込んで処分することも可能です。
福山市の場合
福山市は、リサイクルマークのついた「リチウムイオンバッテリー(Li-ion)」「ニカド電池(Ni-Cd)」「ニッケル水素電池(Ni-MH)」を、各地域に年4回ある「燃やせる粗大ごみ」の収集日に収集しています。セロハンテープなどで絶縁したうえで、ほかのごみとは必ず分けて出してください。バッテリー一体型の製品を捨てることはできません。
福山市では、市のクリーンセンターと各環境センターにリサイクルマークのついたバッテリーを持ち込むことにより処分できるほか、使用済充電式電池リサイクル協力店に持ち込んで処分することも可能です。詳しくは、福山市のホームページで確認してください。
なお、乾電池やボタン電池は、各地域に設けられている「燃やせる粗大ごみ」の収集日にほかのごみとは分けて出すことで処分することが可能です。
三原市の場合
三原市は、リチウムイオンバッテリーや乾電池、ボタン電池などのバッテリーを「発火性・有害ごみ」に指定しています。年に4回ほど設定されている「発火性・有害ごみ」の収集日に、セロハンテープなどで絶縁したバッテリーを、ほかのごみと分けたうえで出すことが可能です。バッテリー一体型の製品を出すことはできません。
三原市でも、リサイクルマークのついたバッテリーなら使用済充電式電池リサイクル協力店に持ち込んで処分することが可能です。
尾道市の場合
尾道市は、リチウムイオンバッテリーなど、リサイクルマークのついたバッテリーの収集を行っていません。これらのバッテリーを処分する場合は、使用済充電式電池リサイクル協力店に持ち込みます。
乾電池は、「もやせないごみ」の収集日に、ほかのごみとは分けて袋に入れて捨てることが可能です。
東広島市の場合
東広島市では、小型の充電式バッテリーやボタン電池、乾電池を、各地域に年2回ある「有害ごみ」の収集日に処分することが可能です。セロハンテープなどで必ず絶縁処理してください。乾電池のみ、市の関連施設に設置されている回収ボックスに投入して処分できます。
リサイクルマークのついたバッテリーに関しては、ほかの自治体同様、使用済充電式電池リサイクル協力店に持ち込んで処分することも可能です。
廿日市市の場合
廿日市市は、リサイクルマークのついたバッテリーを収集していないため、これらのバッテリーは使用済充電式電池リサイクル協力店に持ち込んで処分します。乾電池のみ、市の関連施設に設置されている回収ボックスに入れて処分することが可能です。
呉市の場合
呉市は、小型の充電式バッテリーやモバイルバッテリー、乾電池を「有害ごみ・危険ごみ」に分類しています。各地域に設定されている「有害ごみ・危険ごみ」の収集日に、専用コンテナに投入することで処分することが可能です。
リサイクルマークのついたバッテリーは、使用済充電式電池リサイクル協力店への持ち込み処分も可能です。
不用品回収業者を利用すればバッテリー以外の不用品も処分できます
自動車やバイクのバッテリーを引き取ることが可能な不用品回収業者は当然、リサイクルマークのついたバッテリーも乾電池も引き取り可能です。
リサイクルマークのついたバッテリーの処分方法は、ご紹介したように、自治体ごとに対応が異なるので、住民が迷ってしまうのも当然のこと。家電量販店に行けば引き取ってくれますが、持ち込まなければなりません。
不用品回収業者は引き取りが前提ですので、バッテリー以外にも処分したい不用品があるならばベストな選択肢です。不用品回収業者を利用する場合は、分別のことを気にする必要がないので、バッテリーでもタイヤでも、家具でも家電でも、なんでもまとめて引き取りを依頼できます。不用品の中にリユースできる物が含まれていれば、買い取ってもらうことで処分費用を安くすることも可能なので、大掃除、ガレージや物置の整理などのついでにバッテリーを処分するといいでしょう。
まとめ
自動車やオートバイなどに使われる「鉛蓄電池」のバッテリーは、適切に処理することが難しいため、広島県の自治体は収集していません。鉛蓄電池のバッテリーは、販売店、もしくは不用品回収業者に依頼して処分します。
モバイル機器などに使われることの多いリサイクルマークのついた充電式バッテリーに関しては、収集している自治体もありますが、家電量販店などの「使用済充電式電池リサイクル協力店」なら、持ち込みになるものの、広島県内のどの自治体にお住まいの方でも利用できます。
「ほかにも処分したい不用品がある」
「分別は面倒だ」
という方は、広島えびすサポートにご連絡ください。