「終活」という言葉が日本社会に浸透してからもう長い時間が経ちました。生前整理は、まさにその終活のなかでも大きなウエイトを占める作業です。
この記事では、生前整理について、そのやり方やいつから始めればいいのかも含めて解説しています。生前整理を何かネガティブなことと考えてしまう方もいらっしゃるようですが、けっしてネガティブなことではありません。
生前整理とは?
生前整理とは、まだ心身が充実しているうちに、人生を全うするための「身辺整理」をしておくことです。
人が死ぬと、相続や役所関係の手続きを筆頭に、ご遺族にはやらなければならないことがたくさんあります。
生前にしっかり身辺整理をしておけば、死後に家族がたいへんな思いをする必要はなくなります。すべて完璧に整理しなくても、家族にとって重い負担になり得ることに関してはしっかり整理しておくといいでしょう。
生前整理の重要性
今、遺品整理業者へのニーズが増えているのも、そもそも遺品整理という作業がご遺族にとって重荷になっているからです。昔のような大家族ならなんとか自力で遺品を整理できるかもしれませんが、高齢化や少子化が進んだ今の日本社会では、自分たちだけで遺品を整理することは至難の業です。
そこで遺品整理業者へのニーズとともに増してくるのが「生前整理の重要性」です。
生前整理は残される家族のために行うものであることは確かですが、実は残された自分の人生を充実させるという点でもとても重要です。まだ時間があると考えていても、年老いると気力も体力も衰え、身辺整理をすること自体とても難しくなります。だからこそ、心身が充実しているうちに生前整理をする必要があるのです。
いつから生前整理を始めればいいのか
「いつから生前整理を始めればいいのか?」
確かに「心身が充実しているうちに」ではちょっとわかりにくいですよね。ただ、明確に「いつから」という時期はありません。
まだ人生のエンディングが見えにくい30代や40代といったとても早い段階から生前整理を始める方もいらっしゃいます。病気や災難はいつ我が身に降りかかってくるのか正確に予想することは不可能ですから、生前整理を始める時期に「早い」ということはありません。ただ、今の平均寿命を考えると、60~65歳ぐらいが生前整理を始める時期の目安になるかもしれませんね。
生前整理・家族にとってのメリット
財産のことは、残される家族にとってとても重要なことです。しかし、遺書や財産目録などを残すことなく亡くなる方も多く、そうなるとご家族は財産を特定するためにたいへんな思いをすることになります。
生前整理により財産状況を把握したり家族へのメッセージを作ったりしておくだけで、残された人たちの負担を大きく減らすことができるでしょう。
高齢になり、身体がうまく動かなくなってからだと家族があなたの身辺を整理することも難しくなります。元気なうちに身辺を整理しておくことで負担が減る…これが生前整理をすることで家族が得られる大きなメリットです。
生前整理・自分にとってのメリット
生前整理により、当然のことながら自分自身も大きなメリットを得られます。
人生を歩んでいると、必要、不要を問わず物はどんどん増えていきます。ガレージや物置、押入に詰め込まれたままになっている物のなかには、1年どころではなく、数年間も入れっぱなしになっている物があるものです。
このような物を含む不要な物を処分して生活を簡素化すると、今までは見えてこなかった老後の人生が見えてきます。まだまだ元気なうちに生前整理をすれば、まだ長い残りの人生をさらに充実させることが可能です。これこそが、自分にとっての生前整理をするメリットです。
生前整理のやり方
このように、家族にとってはもちろん、自分にとってもメリットがある生前整理。ただ、いざ作業をするとなってもどこから始めればいいのかわからない方がほとんどではないでしょうか。ここからは、あくまで参考ではありますが、生前整理のやり方(進め方)を紹介します。
まず、大切な物をすべて把握
ここでいう「大切な物」とは、相続や役所の手続きなどに関するすべての物のことです。
銀行の預金通帳、所有不動産の関連書類、有価証券、保険証券、クレジットカード、健康保険証など、大切な物のすべてをまとめて、その存在を把握します。
これらはとっておくので、保管場所がわからなくならないようにしっかりと管理してください。あちこちに分けると行方不明になりがちなので、できれば保管場所は1~2ヶ所程度に留めておくことをおすすめします。
高価な物の取り扱いについて
現金や有価証券などのほかにも相続の対象になる物があります。高価な美術品、宝石などはこれに該当する可能性があるので相場を確認することがとても大切です。状況によっては今のうちに売却したほうが、後々家族の負担にならないこともあります。
つづいて大切な物以外の物の取捨を選択する
つづいて、大切な物以外の物の取捨を選択します。これは大掃除や断捨離のときに物の取捨を決めるときと同様に行いますが、基本的には1年以上使うことのなかった物だけ処分すればいいでしょう。
ただ、「思い出の物」の取捨選択は少々難しいかもしれません。それでも生前整理ですから、ある程度は踏み込んで判断する必要があります。
売却できそうな物についてはリサイクルショップだけではなく、インターネットを利用して売却することも考えましょう。個人売買のほうが高く買ってもらえる可能性が高いからです。
廃棄処分する物が少なく分別が容易なら、自治体のごみ収集サービスを利用しましょう。廃棄処分する物が多い場合は不用品回収業者の利用がおすすめです。
デジタルデータの整理
スマートフォンやパソコンには個人情報が刻み込まれています。
デジタル社会の今、主を亡くしたデジタル機器本体に収められている情報の管理も課題になっています。
インターネットを通じて銀行の取引や投資をしている方はたくさんいます。こういった、いわゆるデジタル遺品やビジネスに絡む重要な情報の取り扱いについても、パスワードなどのアクセス情報の記録も含め、生前整理を機に考えておきましょう。
エンディングノートの作成
エンディングノートは、自分の意志を家族に伝えるための手段です。大切な物の保管場所はもちろんのこと、家族に宛てるメッセージ、自分用にライフプランなどを書き込んでもいいでしょう。
エンディングノートには法的な効力はないので、その点については留意しておく必要があります。生前整理を機に法的効力のある遺言書の作成について検討してもいいでしょう。
広島えびすサポートが生前整理をお手伝い
このように、実際の生前整理では物の仕分けだけではなく、デジタルデータの扱いやエンディングノートの作成など、さまざまなことをやらなくてはなりません。これだけでもやる気がなくなってしまうかもしれませんね。
しかし、ご安心ください。
広島えびすサポートには、生前整理にくわしい資格保持者(遺品整理士)が常駐しています。すべての生前整理に関わる作業をスムーズに進めるお手伝いをしますので、ぜひご相談ください。
まとめ
生前整理は、残される家族のためだけではなく、自分の余生を充実させることにも役立つ人生の重要なイベントです。「いつから始めればいいのか?」というよりは、思い立った今が、もしかしたら生前整理のベストなタイミングなのかもしれませんね。