近年、ペットを飼っている家がゴミ屋敷になるケースが増えています。ゴミ屋敷とは言わないまでも、ひと部屋をペット用にしている家は多く、そのペット部屋が、一般の方では手のつけようもないほどの汚部屋になっているケースも見受けられます。大切なペットですから、行きすぎた放任主義は困りものです。悪臭が広がり、近隣住民の暮らしに影響を与える可能性もあるので、すぐに清掃と片付けを行う必要があります。
ペットを飼う家がゴミ屋敷になってしまう理由
ペットを飼う家がゴミ屋敷になってしまう、その理由はいくつか考えられます。
ペットの糞尿を放置
ペットはかけがえのない家族のはずなのですが、一部の飼い主はペットの面倒をみることを放棄してしまい、問題が発生します。ペットを飼う家がゴミ屋敷になってしまう一番の理由は、この飼育放棄による糞尿の放置です。特に多頭飼いになると飼育の手間も多くなり、このような目も当てられない事態につながりがちです。
去勢を怠りペットが増えてしまった
去勢を怠りペットが増えてしまった。これも飼い主のモラルの問題です。ペットは成熟が早く、特にハムスターやウサギなどは、増え始めるとあっという間に10、20という感じで増殖してしまいます。こうなると飼育の手も追いつかなくなり、家は飼育崩壊からゴミ屋敷へという道のりをたどることになります。
ペットを残したまま飼い主が失踪
ペットを残したまま飼い主が失踪してしまい、家がゴミ屋敷になってしまうケースもあります。このようなケースのほとんどが多頭飼いの崩壊です。飼い主が体力的にも金銭的にも飼育できなくなってしまい、家がペットの糞尿だらけになってしまいます。
ペットを飼っている家は定期的に不用品を片付けましょう
ペットを飼っている家のすべてがゴミ屋敷になってしまうわけではありません。しかし、家族の一員であるペットが健やかに暮らすためには、清潔で安全な飼育環境を整える必要があります。
あまりにも散らかった部屋でペットを飼育していると、ノミやダニなどが発生してペットの病気や飼い主のアレルギーにつながる可能性があります。
このように散らかった、不潔な家では、ペットも人間も安心して暮らせません。掃除をして、不用品は処分して、清潔で安全な飼育環境を整えましょう。
ペット可賃貸の場合は考えなければならない原状回復
賃貸の家やマンションでペットを飼育している場合は、物件の明け渡し時に原状回復の義務があります。ゴミ屋敷とは言わないまでも、不衛生な状態になっているようであれば、最悪の場合、特殊清掃が必要になるケースもあるため、早急に対応しなければなりません。特殊清掃をするとなると、多額の費用負担が必要になります。持ち家の場合は原状回復の必要はありませんが、修復するとなると、多額のお金がかかることに変わりはありません。
繰り返しますが、ペット絡みのゴミ屋敷、汚部屋については、すべて飼い主のモラル欠如が原因になっています。もしかしたら、風邪をひいて寝込んでしまい、掃除をしなかったことがきっかけかもしれませんが、ペットは生き物ですから理由になりません。ペットを飼うなら、それなりの覚悟をもって、家は常に片付けて、清潔に保たなければならないのです。
ペットを飼っている家の汚部屋を片付ける方法
ペットを飼っている家は、日常的に掃除をして清潔に保たないと、住む人にとっても、ペットにとっても不快な場所になってしまいます。
ただ、すでに汚れてしまっている場合は、早急に片付けなければなりません。ここからは、ペットを飼っている家の汚部屋を片付ける方法をご紹介します。
ペットを飼っている家・汚部屋を片付ける準備
基本的に、すでに汚部屋になってしまっている場合は、不用品回収業者などに依頼して本格的に片付けることが望ましいのですが、程度によっては自力で片付けられる場合もあります。
ペットの糞尿が散乱している場合は、消毒や除菌も行う必要があります。以下、準備するアイテムや服装です。
・消毒液(次亜塩素酸ナトリウム)
・住宅用の洗剤
・消臭用薬剤(酸性)
・殺虫剤
・ゴミ袋(10~20枚程度)
・ダンボール、ガムテープなど
・ホウキ、ちりとり、雑巾、スコップ、ブラシ、ヘラなど
・エプロン、軍手、マスクなど
ペットの糞尿が散乱している汚部屋を片付けるには、まず準備が大切です。以上は主なものですが、汚れの程度によっては、このほかにも必要なものが出てくる可能性があります。
ペットの汚部屋を片付ける方法
ペットを飼っている家の汚部屋を片付ける際、特徴的なのは糞尿による汚れや臭いを取り除かなければならないことです。ここからはその糞尿汚れや臭いを取り除く作業の流れについてご紹介します。
まず、ペットの糞を掃除します。放置されていたペットの糞は塊になっていることが多いので、スコップなどで崩しながら取り除きます。乾燥して塊になった分は、崩すとパウダー状になってしまうので、これはホウキとちりとりで集めてください。
糞は、壁や床などにこびりついているケースもあります。このような糞は、ヘラで取り除きます。猫など、高い場所に登れるペットの場合は、家具の上やサッシの上部などに糞が付着していることもあるので、隅々までチェックしましょう。なお、害虫が発生している場合は、部屋全体に殺虫剤を噴射してから作業を始めましょう。殺虫剤は、作業中もかたわらに置いておくことを強くおすすめします。
糞の次は尿による汚れを取り除きます。尿汚れは、住宅用の洗剤をスプレーしながら根気よく雑巾などで水拭きします。マットなど、洗えるものは、酸素系漂白材などにつけ置きしてから洗濯するのがおすすめです。
糞尿を取り除いたあとは、部屋の消臭作業を行います。アルカリ性の尿は、クエン酸やお酢など、ペットや人間に比較的やさしい酸性の液体を使うと安心です。もちろん、強力な消臭剤が必要な場合は、自力でやるよりも業者に作業を依頼することをおすすめします。
片付けの最後は部屋の消毒作業です。できれば次亜塩素酸ナトリウムがあれば望ましいのですが、ない場合は消毒用のアルコールでも問題ありません。ていねいにスプレーして、細かい場所はキッチンペーパーなども使いつつ掃除してください。
ペットを飼っている家の汚部屋を片付けるコツ
汚部屋を掃除する際は、掃除のやり方も重要ですが、今後のことを考えると、物を仕分けて部屋自体をスッキリさせることがさらに重要です。汚部屋の掃除は、まずは物の仕分けから始めましょう。
「必要」「不要」「保留」に仕分け
汚部屋に置かれている物を、必要な物、不要な物、保留する物に仕分けます。ダンボールを用意してかんたんに仕分けるだけでオーケーです。
必要な物は、今、実際に使っている物です。まさかペットがいる汚部屋に保管していないとは思いますが、貴重品があれば、やはり必要な物に仕分けます。
不要な物は、「長い間使っていない物」や「これから使うかもしれない物」などです。「使うかもしれない物」は、ほぼ使われることがないので、思い切って捨てたほうがいいでしょう。
保留する物は、判断できない物が該当します。ペットの写真など、思い出の要素が強い物については、とりあえずこの保留に仕分けておきましょう。
部屋は高い場所から先に掃除
ペットがいる汚部屋に限ったことではありませんが、掃除の基本として、部屋は高い場所から先に掃除します。床にゴミやホコリを落とし、最後に掃除機で吸い取ると効率的です。
必要な物を整理して配置
先ほど仕分けた必要な物を整理して配置します。今後、また汚部屋にしないよう、できるだけルールを作って物を配置するようにしましょう。基本的に、床に直接、物を置くことは避けます。ペットのおもちゃなども整理整頓して収納しましょう。
ペットを飼っている家の汚部屋の片付けは業者に依頼
ペット飼っている家の汚部屋を片付ける方法をご紹介してきましたが、実際、自力での片付けはあまりおすすめできません。道具や薬品を購入しなければなりませんし、掃除したとしても、部屋を元のパーフェクトな状態に戻せるわけでもありません。汚れも臭いも、一般の方が完全に取り除くことはかなり難しいでしょう。
汚れのひどい部屋の片付けは、特殊清掃の技術を持つ業者に依頼するのが最もおすすめです。
特殊清掃の技術を持つ業者なら、強力な薬品を使って汚れや臭いを元から落としてくれます。そのほか、特別な機材を導入して部屋全体の掃除と片付けをしてくれるほか、ゴミや不用品も回収、処分してくれるので、汚部屋を一気に片付けることが可能です。
業者がペットの汚部屋を片付ける際の作業内容
業者がペットの汚部屋を片付ける際も、基本的な作業の流れは変わりません。ただし、業者は、汚れや臭いが完全にしみこんでいるような部屋でも、リフォームにより元の状態に戻すことが可能です。
糞尿の掃除
ペットの糞尿を、特殊なツールを使って取り除いていきます。
消臭
ペットや糞尿の臭いは、基本的には専用の薬剤とツールを使って取り除きます。しかし、臭いが壁や床などにしみこんでしまうとなかなか取り除けません。ひどい場合は、壁のクロスや床材をはがして張り替えるリフォームにより臭いを取り除きます。
部屋の消毒
作業の最後に部屋全体を消毒します。消毒は、ペットにも人にもやさしい薬品を使用するのが一般的です。
まとめ
ペットを飼っている家の汚部屋を片付ける方法をご紹介しました。ペットの世話を適切に行うことは、飼い主の義務です。家や部屋をゴミ屋敷のような状態にしてしまうと、近隣にまで悪影響を及ぼす可能性があるので、散らかった汚部屋は早急に掃除する必要があります。汚部屋の片付けは、消臭や消毒の必要性を考慮すると、不用品回収も行っている専門の業者に依頼するのがおすすめです。
業者に依頼する際の一般的な費用や相場などもご紹介しておりますのでご覧下さいませ!!