日本に住んでいる以上、地震や大雨などの自然災害と私たちは隣り合わせです。ここ広島市でも大雨による大規模な土砂災害が発生し、多くの命が奪われました。
このような大規模な自然災害が発生すると、被災した人たちは避難所に集まり、からくも災害によるダメージをあまり受けなかった人は自宅で避難生活を送るわけですが、そこで問題になるのが「ごみ」です。
災害が発生するとしばらくはライフラインも使えません。上下水道が使えなくなるとトイレも流せません。人々が生活を営めば、そこにはごみが出ます。
この記事では災害時のごみのことをくわしく解説しています。いざという時に必ず役に立ちますので、ぜひ読んでみてください。
災害ごみ・災害廃棄物とは?
災害廃棄物とは、大きな災害にともない発生する「がれき」、半壊、前回した家に置かれていて傷んだ家財などを含む廃棄物のことです。
災害廃棄物は、災害の規模が大きくなればなるほど増え、信じられないような量になります。東北地方で発生した先の大震災では、3000万トンを超える災害廃棄物が出たそうです。
日本列島では今後も「南海トラフ地震」などの巨大地震の発生が想定されていますが、これらの巨大地震では、東日本大震災をさらに上回る量の災害廃棄物が出ると想定されています。
避難生活で出る生活ごみも大問題
災害で出るごみはがれきや家財などの災害廃棄物だけではありません。被災した人々が避難生活を送れば、当然のことながら生活ごみが出ます。生ごみを含む可燃ごみ、不燃ごみのほか、ライフラインが寸断されてしまえば普段は発生しない「し尿」もごみになります。
広島市における災害廃棄物や避難生活で出るごみの処分方法
災害はひとつとして同じものがないので、災害廃棄物や避難生活で出るごみの処分方法は状況により異なります。しかし、環境省により災害発生時の初動対応について指針が示されているので、各自治体はそれに基づき収集をおこないます。
災害廃棄物・仮のごみ置き場が設置される
がれき、こわれた家財などの災害廃棄物は、仮のごみ置き場が設置されるのでそこに出します。ほとんどの場合、被災前から空き地だったり公園だったりした場所に仮のごみ置き場が設置されます。
仮のごみ置き場に災害廃棄物を出すときも分別は必須です。分別種ごとに置き場が分けられるので、それに従って廃棄物を出しましょう。
災害時は緊急車両や救援物資を運ぶ車などの往来があるため、道路を塞いでいるがれきや家財はできるだけ急いで仮のごみ置き場に運ぶことが重要です。
生活ごみ・いつものごみ集積場
避難生活において出る生活ごみについては、いつもごみや不用品を出しているごみ集積場からの収集になります。収集日もごみの出し方も普段どおりです。
しかし、状況が状況ですから、収集方法も収集場所も変わる可能性があります。そのため、ラジオなどで情報収集することも重要です。手巻きでバッテリーを充電できる携帯型のラジオなどを備えておくといいでしょう。
広島市における災害廃棄物や生活ごみ収集の流れ
広島市環境局は、環境省の指針を踏まえて災害廃棄物や生活ごみ、不用品を収集する際の流れをまとめています。大まかに流れを把握しておけば、いざという時に慌てずに済みます。
災害廃棄物や生活ごみの収集について発表がある時期
広島市は、災害廃棄物や生活ごみ、不用品の収集について、大きな災害が発生してから3日以内に市民に対して発表します。被災直後のつらい時期ではありますが、安全を確保するための情報収集とあわせて注目しておきましょう。
災害廃棄物と生活ごみは別々に収集されるため、やはりこれらの定義だけは知っておいたほうがよさそうです。
災害廃棄物と避難生活で出たごみを分別
広島市から災害廃棄物や避難生活で出たごみの収集、不用品回収について発表があったら、家にあるこれらを確実に分別してください。どちらも普段の分別方法と基本的に変わりはないので、なるべく早く分別作業をすることをおすすめします。避難生活においても清潔な環境を確保することは、害虫の発生や伝染病などを防ぐためにも大切なことです。
想定される災害廃棄物の収集方法
がれきや家財などの災害廃棄物は、広島市では仮のごみ置き場からの収集に加えて、「ごみ収集車での巡回収集」と「ごみ処理場への搬入」が想定されています。被災状況を考慮して広島市がこれらを判断するというわけです。市民の皆様は、発表に従って災害廃棄物を出してください。
想定される避難生活で出たごみの収集方法
避難生活で出たごみの収集方法については、すでに触れたようにいつものごみ置き場からの収集が想定されます。ただし、状況により変わることはあるので広島市の発表に従ってください。
避難生活では大量の生活ごみが出ることが予想されます。しかし、皆が一度に大量のごみを出してしまうと収集場所に置ききれなくなってしまいます。生ごみなど環境を不衛生にするおそれのあるごみを優先して出して、生活環境に影響の少ないごみはあとで出しましょう。これも地域の助け合いです。
私たちにできる災害廃棄物や生活ごみを減らす対策
大きな災害が発生したとき、ご紹介したように大量の災害廃棄物や生活ごみが出ます。これらは、救助活動や救援物資運搬の妨げになるため、できる限り発生する量を減らしたいところです。不用品、ごみを減らすために私たちにできることを紹介します。
家具や家電の転倒を防ぐ
家具や家電の転倒防止。これはかなり一般的な地震対策です。こわれた家電や家具は災害廃棄物になってしまいますから、転倒を防げれば、災害廃棄物も減量できる可能性が高まります。
不用品を処分する
不用品がたくさんあると、その分だけ災害廃棄物が増える可能性があります。そもそも使っていない不用品なのにとっておいても何の役にも立ちません。それどころか、これらは災害時の生活において足かせになる可能性すらあります。すべての物を整理しなくてもいいので、長い間使っていない物だけでも処分しておきましょう。
広島市で発生した土砂災害
冒頭で少し触れた広島市で発生した土砂災害。平成26年(2014年)8月20日に発生した大規模土砂災害は、近年とても増加している線状降水帯の発生による集中豪雨が引き金になりました。
この集中豪雨は、数百年に一度をはるかに超える低い確率でしか起こらないものだったと考えられており、市内では160ヶ所以上の土砂災害が発生しました。
「平成26年8月豪雨による広島市の土砂災害」は、ここ30年間に日本で発生した土砂災害で最多の人的被害をもたらしました。ライフラインやインフラの多くが機能しなくなり、ピーク時には2000人を超える市民が避難所で生活しました。
地球温暖化が深刻化し、日本全国どの地域でも、線状降水帯の発生による集中豪雨が危惧されています。
想定される災害に備えるために、それぞれができることをやっておく。これが重要です。
まとめ
災害が発生すると、がれきや家財などの災害廃棄物のほかに生活ごみが出ます。これらは処分方法が異なり、災害の発生から3日以内を目安に、広島市がその方法を発表することになっています。私たちにできることは、災害廃棄物や生活ごみを減量するための努力です。家具を固定したり、不用品を処分したりするだけでも災害廃棄物を減らせます。
私たち広島えびすサポートでは引越しに伴う粗大ゴミ処分や遺品整理、ゴミ屋敷清掃、空き家片付けなども行っておりますので処分したい不用品がございましたら広島えびすサポートにご相談くださいませ。