高齢のお母様や祖母が亡くなると、着物がたくさん出てくることがあります。着物はたくさんあると場所をとりますし、できることなら早めに整理してしまったほうがよいのですが、やはり着物には思い出も詰まっているでしょうから、そうかんたんには割り切れないものです。この記事では、遺品の着物を整理する方法について解説しています。着物の整理にお悩みの方は、ぜひ読んでみてください。
遺品整理と着物
着物は、実はリサイクルすることを前提に作られていることをご存じでしょうか?最近よく見かけるカジュアルな着物を除き、手縫いの着物は、糸をほどけばある程度、ばらすことができるので、ほかのものにリメイクすることができるのです。このことを知っておくと、処分にあたり亡き人の思い出がこみ上げてきたり、何か罪悪感を覚えたりすることはなくなるのではないでしょうか。
遺品の着物を整理する前に注意すべきこと
遺品の着物の中には、もしかしたらとても貴重なものが含まれている可能性があります。このような着物をうっかり処分してしまっては大変です。そのため、まずは遺言書の存在を確認し、さらに家族や親族に相談して、遺品の着物を整理する方針を決めましょう。
遺品の着物を整理する方法
遺品の着物を形見としてとっておくことはひとつの選択肢です。しかし、着物はかさばりますから、たくさんある場合はそういうわけにはいきません。遺品の着物を整理するにはどうしたらよいのでしょうか。
着物をリメイクする
先にご紹介したとおり、着物は糸をほどくことである程度、ばらせるので、これらを材料にして布団カバーやファッション小物にリメイクしてもよいでしょう。ただし、ある程度、着物に関する知識がないとばらすこともかんたんではありません。もちろん、大量に着物がある場合は、すべてリメイクしていたら膨大な時間がかかってしまいますが、物づくりが好きな方なら挑戦してみてもよいのではないでしょうか。
着物専門の買取業者に売却
もしも遺品の着物が高級品であった場合は、着物専門の買取業者が高額で買い取ってくれる可能性があります。製造から10年程度の比較的新しい着物や、著名な作家により作られた着物、さらに着物の産地として有名な土地で作られた着物も高値がつけられる可能性がある着物です。「証紙」が付属していれば、さらに高値で買い取ってもらえます。もちろん、保管状態も価格を決める要素です。
古着店に着物を引き取ってもらう
着物や帯を引き取ってくれる古着店もあります。古着店は着物の専門店ではないため、基本的に買い取ってくれたとしてもよい価格をつけてくれるわけではありません。古着店では、クリーニング後に着物を販売、またはリメイク材料として使用します。
リサイクルショップに着物を引き取ってもらう
リサイクルショップでも着物を引き取ってくれることがあります。近年、中古の着物はニーズが高まっており、そのニーズは国内だけではなく、海外にも及びます。高級品は着物専門の買取店に査定してもらうべきですが、それ以外の着物であれば、古着店やリサイクルショップに相談してもよいでしょう。
インターネットで着物を売却する
「ヤフオク!」などのネットオークションを利用して着物を売却する方法もあります。ネットオークションなら自由に値段がつけられますし、ニーズさえあれば、売却できることは大きなメリットでもあります。
しかし、現実はそうかんたんではありません。着物のスペックをしっかり調べて出品リストを作成しなければなりませんし、質問者や落札者への対応も、すべて自力でやる必要があります。さらに、売却までに時間がかかったり、売れ残ったりする可能性もあるので、このような際は、ほかの方法で処分することを検討しなければなりません。
不用品回収、遺品整理業者を利用して着物を整理
亡くなられた方の遺品を仕分けるなど、遺品整理や遺品整理に関連するさまざまな手配を行う遺品整理業者に、着物の整理を依頼する方法もあります。
遺品整理業者の中には、着物を買い取っている業者もあります。引き取り手のない着物は、遺品整理業者にほかの不用品といっしょに処分してもらうことも可能です。
どうしても処分することに抵抗を感じる場合は、遺品整理業者にお焚き上げを手配してもらいましょう。
ただし、遺品整理業者ならどこに依頼してもよいというわけではありません。遺品整理の経験が豊富な遺品整理士が常駐している業者に依頼しましょう。
まとめ
遺品の着物を整理する方法について解説しました。高額な着物を誤って処分してしまわないように、まずは遺言書に着物についての記述があるかどうか確認することが重要です。そのうえで、家族や親類と相談して、遺品整理の方向性を決めるとよいでしょう。遺品整理には、難しいことやわからないことが付き物です。
参考:遺品整理・スマホや携帯電話、パソコンなどのデジタル遺品の整理について